大往生ばあちゃん
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先日自分のばあちゃんが亡くなった。
享年103歳、文句なしの大往生だと思う。
生前ばあちゃんの家は車で行けるので子供たちを連れてよく行った。
ばあちゃんは高齢になってから写真を撮られるのを嫌がっていた。
年を取った顔があまり好きではないからみたい。
数か月前そんなばあちゃんだが、ひ孫となら撮るかなと思い。
撮らせてもらったら全然嫌がらなかった。
ひ孫とばあちゃんがほっぺたをくっつけあって微笑んでいる良い写真が撮れた。
多分生前最後の写真だと思う。
こどもたちにとっても良い思い出になったはず。
普段は式というものが苦手なのであまり行かないが、
そんなばあちゃんの葬式に行ってきた。
太りすぎてスーツが全く入らないのでまいった。
ボタンは止まらないが何とか着れるジャケットと
ボタンは止まらないけど何とか履けるパンツを選んで出発。
途中イオンで激安白ワイシャツを買い、
黒ネクタイは高くて買えないなぁと店員さんと話していたら、
「百均で買ったら?」
ナイスな助言をもらい百均で黒ネクタイと黒靴下ゲット。
イオンのトイレで着替え、入らないズボンをベルトでねじ込み、
なんとかそれっぽい格好になった。
靴は10年くらい前に「なんかの時のため」
に勝っておいた黒いローファーがあった。
ただ履いたそばから表面の合皮がバキバキ割れて、
なんかすごいことになっていた。
葬式後に妹にそういう模様の靴かと思った、と言われた。
葬式は親族のみ、
よく考えたらばあちゃんの個人的な友達とか
知り合いはもうみんないないか。
最後に棺桶を閉める前に体の周りに花を並べた。
色とりどりの花がばあちゃんを囲んでいく。
最後に白い菊の花が10個くらい残っていたので、
自分が手に取り並べた。
顔の周りはみんな遠慮していたのか花が少なかったので、
白い菊の花を顔の周りを縁取るように等間隔で
10個の菊の花を並べた。
並べ終えた瞬間、
「ん?なんか見たことあるなー」
「なんかに似てるなー」
と思ってて、ハタと気付いた。
「あ!!! ポンデライオン!!!」
と思った瞬間思いっきり吹き出しそうになり、
目頭を押さえ泣くふりをして何とかごまかした。
危なかった、本当に危なかった。
こんなことになるから、みんな顔の周りは避けていたのか。
いやー勉強になった。
そして出棺。
焼き場に送る最後の時。
霊柩車が迎えに来る。
その時に来た霊柩車が「ハイエース」だった。
また吹き出しそうになり、目頭を押さえた。
心の中で「現場かよ」と突っこんだ。
あとで調べてみるとハイエースやキャラバンは
普通に使われいるみたいだ。
普段葬式なんて参加しないから知らない事ばかりだった。
帰りがけ、表面がズタボロになってきた靴のソールが丸ごと取れた。
これはさすがに声を出して笑ってしまった。
そういえば、新しい商品が出来た。
自分用に靴ベラを作ってみて、とても使いやすかったので商品化。
中に鉄板が入っている。
鉄板の周囲ギリギリを縫うが、
そんなの日常茶飯事で行ってる作業なので、
いつものようにやっていたら、
針が鉄板にあたって針が粉砕!!!
運よく顔に飛んでこなかったが、
次回からはゴーグルを付けて縫おうと決めました。
木の器の話
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全国すみよさランキング
2年連続九州ナンバー1の福津市。
その福津市の中心の駅
福間駅が当工房の最寄り駅。
快速も特急も止まるし、
博多も小倉も行きやすく、
物価も安い。
うちの周りは田んぼだらけの
市街化調整区域だけど、
福間駅まで歩いて15分で行ける
奇跡の立地。
そんな住みやすい街、福津市手光。
先日娘が夕方に散歩に行こうというので、
近くのセブンイレブン(徒歩5分)
に寄ってアイスクリームでも
食べようと思い、行ってみると潰れてた。
あと5分歩けばローソンがあると思いだし、
行ったら潰れてた。
アーめんどくせーなーと思いながら
別のローソンまで歩いて行った。
別のローソンは無事だったが、
向かいのモスバーガーが潰れていた。
以前ウチの母親が遊びに来た時、
「あの建物立派ねー」
と指差したのは潰れたモスバーガーの
向かいにある巨大パチンコ屋。
本当に住みよいのか?
近所にでかいイオンがあるだけじゃねーか?
だいたい、そんなアンケートどこで取ってんだ?
もしそんなアンケートあったら
人口が多いとこが一番になるに決まってない?
自分が住んでる町なんて
肯定するに決まってんだろ!
結局コンビニ3軒回って10分の散歩のつもりが
1時間かかったので、
イライラして毒吐いてみました。
本当は良いとこですよ。
さて、本題は新しい木の器の仕上げ方法が
完成しましたので、お知らせです。
摺り漆仕上げがお気に入りだったが、
あまりにも手間がかかりすぎる。
耐水性や防汚性を備えた塗料は
匂いが気になったり、
食品衛生法に適合してない等、
結局その部分で躓いてしまい
本格的な木の器の制作が
滞っておりましたが、やっと納得のいく
仕上げ方法が完成しましたので、
ガンガン作っていく予定です。
詳しくはホームページの新着情報に載せてます。
スティングレイ ガルーシャについて語ります。
エイ革、スティングレイ、ガルーシャ、と呼び名は色々ありますが、
魚種で言う所のアカエイの革です。
このガルーシャ、革の特性でもある石と呼ばれるビーズ状の粒のせいで扱い方がかなり困難です。
muichigaでは10年以上この革を扱っています。
この革の扱い方としてベストな方法を思いついてから
今でも変わらず作り続けている作り方があります。
今のところ自分以外では誰もやっていない作り方を
誰もほめてくれないので自画自賛しながらご紹介します。
このガルーシャ、何も工夫せずに縫っていくとこんな感じになります。
(今回見本は糸の縫い目が分かりやすいように黄色の糸を使ってます。)
糸の色さえ合わせれば目立たないのでこの状態で売ってる場合もあります。
実は見た目は悪いけど、この後に紹介する作り方より耐久性は高いです。
ただ石の上に糸が乗っている状態なので糸の耐擦過性は低くなります。
スティングレイレザー、ガルーシャはタイのお土産物としてかなり安価で流通しています。
タイから財布を輸入して販売しているネットショップは多く見かけます。
タイ製の特徴として多く見られる作り方があります。
量産に向き、縫い目のがたつきを目立たず処理できる方法。
昔の日本のお土産物にもよく見られた作り方。
「玉取り」
日本のお土産物では縁を金色にしたり、アクセント的に使われていました。
ガルーシャの場合、縫い目のがたつきを隠すという意味があります。
出来れば革、縁、糸を全て同色にすると、綺麗に見えます。
特に表ガルーシャ側はステッチが見えないので買った人もステッチを意識せずに済みます。
「玉取り」は、表の糸が見えず裏の糸のみ見える方法。
もう一つ似た方法で表、裏、共に糸が見えるけど、
直接縫うよりもがたつきが少なくなる方法が
「乗せ縁」
先ほどの玉取りよりのように二度縫いする必要はなくなるけど、少し難易度が上がります。
ただ矢印のように針の刺さりどころが悪いとステッチが急に乱れたりします。
これもすべての色を合わせることにより粗を目立たなく出来ます。
他に時々見る作り方として、
「もう針で縫うのは諦めた!」と言わんばかりの篝縫い
以上の牛革でまとめる「玉取り」「乗せ縁」「篝縫い」の3パターンが多い。
実はこの作り方だとガルーシャの意味がまるでない。
エイ革は耐久性の高さから100年以上持つと言われ、
実際に、最古のサメ革の柄巻は正倉院から見つかっている。
ちなみに刀剣でいうところのサメ革はイコール、エイ革のこと。
上記の作り方だとエイがどれだけ強くても、縁の牛革が数年で擦り切れる。
財布の耐久性はコバ、(財布の縁の処理で決まる)
「玉取り」「乗せ縁」共に0.4mm〜0.6mm程度に薄くしてから巻き付ける。
革が厚いと上手くできないのでペラペラに薄くして作る。
特にヌメ革なんかでやったら、すぐに擦り切れる。
「篝縫い」も同様、革は少し厚くできるけど、
エイ革の耐久性と比べると先に切れるのは明らか。
と、長い前置きはここまでにしてmuichigaでのガルーシャの縫い方。
そう、やっぱり一番の耐久性を誇るのは
「切り目」
縫い目が蛇行しないよう処理をしています。
コバはやっぱ断面じゃないとダメ、壊れる可能性のある余計なパーツが無い、
もしコバ(断面)になんらかのダメージが出来ればヤスリで削って磨けば復活!
糸が石の上に載ってないので糸切れもしづらい。
ちなみにコバ処理前の裁断面
一番多い重なり部分は10枚くらいになります。
ついでに最近のスティングレイはざっくりポリッシュした後、ラッカーを吹き付けているので、
muichigaでは革を仕入れてから再ポリッシュし直してます。
右が元の状態で左が再ポリッシュ後
どこかの掲示板に
「たしかにスティングレイの財布は全然傷が付かないけど、縁の牛革が切れるからダメ」
みたいなことが書いてたけど、、、
おっっっっっしゃるとーーーり!
買って使ってみたことがあれば分かるはずなんだけどなー
だから十年前から「切り目」で作ってるんだけどなー
でもその人もう二度とスティングレイの財布は買わねぇだろうなー
ちなみに縁の牛革切れたら修理かなり難しいと思う、
出来なくはないけど針穴探せないからグチャグチャになりそう。
ってことで暇なときにでもウチの商品見てください。
まだ在庫切れからアップしてないけど、近日補充します。
先日、子供が夏休みなのでカリンバを作った。
ワークショップ用にキットを自分で制作したもの。
スタートは11時から、夕方6時まで集中して作っていた。
こんなに長時間集中しているところ初めて見た。
楽しかったぽい。
息子の表情が楽しさを語ってます。
変身!
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ここ一年くらいは遠くは関東や東海地方からわざわざご来店があり、ありがたい限りです。
先日は東京の店舗から買い物していただいている方も来ていただいたり、
その中でも私のあこがれの職業をされている方が関東からきていただきました。
リアルユーチューバーですよ、初めて出会いました。
いやーマジでうらやましい、今一番やりたい仕事だな。
そんな遠方からわざわざ来ていただく際はオーダーメイド前提のことがよくある。
こちらのスケジュールに合わせてきていただくのだから、ありがたいことこの上ない。
そんなオーダーメイド品の中で最長に待たせてしまったものがやっと完成。
キルティングしたバイカーズっぽい財布。
仕事としては絶対に受けないオーダーメイドだけど、友人なので作ってみた。
しかし何年待ってもらったか分からないほど待ってもらった。
よくブチ切れずに待ってくれたなと思う。
これで受けていたオーダーメイドをすべてこなした。
と思っていたところ、新たなオーダーメイドが一点追加確定。
それがまた恐ろしい、ガルーシャのシステム手帳。
緊張する仕事。
今年から遠方の屋外イベントにも積極的に参加するので、
遠方の方、イベントが近くで開催された際は是非よって下さい。
今後のスケジュールは何も決まってないけど。
なんか良いイベントあったら教えてくださーい。
「とうちゃ〜〜〜ん!」
と息子が呼ぶので振り返ってみると息子がヒーローに変身してた。
おっ、懐かしいと思ったが、自分が小さい頃はフリチンではなかった。
銘木財布
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革製品と木製品を並行して作ってるので、
「技術的に近いんですか?」
とよく聞かれる。
実際は全く似てないし、それぞれの技術が相互に全く生かされない。
財布作りと木工旋盤の作業なんて1ミリも似ていないし、
工房も別にしなきゃいけないという不便さ。
商売的には1+1=2どころか、むしろ0.9ぐらいになってる。
好きでやってるので文句は無いけど、なんか不条理を感じる。
できることなら、今はユーチューバーになれないかと本気で考えている。
どういうテーマにするとよりマスに訴求できるかを日々悩んでいる。
一昨年くらいから作ろうと思いながら、温めてきた製品がある。
「木の財布」
1+1=2以上にするべく考えていたが、
材料を買う際の送料をケチって今まで作っていなかった。
たかが1000円の送料なのに。
設備的にもコンプレッサーとエアガンが必要と考えていたので、
そうなると10万以上の先行投資が必要になる。
実はこれがネックでもあった。
一時期狂ったように銘木や珍しい材料ばかりを集め、
中毒症状を起こしていたので、
木材の知識が割と頭に入っていて、木自体の価値がある程度分かっている。
2年近くも頭の中で作る妄想をしていると、
さすがに設備投資無しで作れる方法を思いついた。
送料1,000円奮発して材料を仕入れ、早速サンプルを作ってみた。
仕入れるのは最近はやりの輸入材ではなく、
モノ好きのおっさんがよだれを垂らして喜びそうな、
国産最高級木材、
以前、東京で行われていた江戸指物展でも活躍していた、
タモの玉杢、
財布に使った部分は玉杢というより「縮み」の部分だったけどだったけど、
アンブロパースとセラーレウォレットを作ってみた。
ヌメ革のスッピンと合わせてみた。
いかにも自然素材らしく木の雰囲気も出てよい感じ、
実物は縮みが入っているので光の反射でキラキラします。
次は国産材では最強の激レア材、黒柿の孔雀杢。
通常の柿の木は真っ白なのに突然変異で現れる不思議な木。
これでもアンブロパースとセラーレウォレットを作ってみた。
あまり一般受けはしなさそうだけど、知ってる人が見たらビックリするんだけどなー。
あとは使ってみて耐久性の確認。
誰か使ってみたい人いたら連絡ください。
通常よりはちょっと安くモニター価格で販売します。
そういえば、先日仕事場で
「とうちゃ〜〜〜ん!」
と呼ぶので、その方向を見ると息子が立ってた。
その顔を見て一瞬凍り付いた。
ん〜〜、マジでビビった。